子供の頃から動物が大好きで、よく動物園や水族館に出掛けていた。
その頃は今のように野生動物に出逢いたいという気持ちはそんなに強くなかった。
それを強く感じ始めたのは自分が病気になり、カラダをこわして身動きがとれなくなってしまった時「絶望感」を味わったからだと思う。
まだその頃は20代前半だった。
水族館や動物園、映画、テレビのドキュメンタリー、写真集や図鑑などの書籍類・・貪るように鯨類――特にシャチに関するありとあらゆるものを吸収して、つよい憧れを私の心に宿していった。
病気が安定したら、いつか自分にチャンスが訪れたら、野生のシャチに逢いにいきたい・・その気持ちを抱きながら1999年にカナダ・ジョンストン海峡へ、2001年にはカナダ・ジョンストン海峡とアラスカ・ジュノーやグレイシャーベイへ訪れ、大自然界で力強く泳ぐシャチやザトウクジラなどに出逢うことができた。
その時の気持ちはなんとも言えないほど、嬉しくてたまらなかった。 |
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自分は病気を患っているため、アウトドアのようなカラダを使う旅行はできないんじゃないかと思いこみ、尻込みしていた気弱な自分がきらいだった。
なんとかそこから抜け出したい、第一歩を踏み出したいと願っていた、こころの葛藤。
思い切って行動できたことが、今の私に繋がっているのかもしれない。
その後、アラスカの海へ3年訪れる機会に恵まれ、私は「野生のシャチに出逢うこと」を胸に、いつしか写真を撮ることに興じていった。
無我夢中で「記念に写真を撮って楽しむ」ことを体験し、年を追うごとに「想い出に刻む写真」「記録の写真」「作品としての写真」へと私の中で気持ちが3つに変化してきた。
そんな心の動きに驚いているけれど、一番は自分の目でみて確かめて、風を肌で感じて楽しんで、大自然の空気をたくさん味わい触れて、自然環境の変化を学んでいきたいんだと感じ始めている。
菜穂子 |